犬の車酔いと、子犬の時のトラウマ
一昨年ウチの犬が生後2か月足らずで近くの空港に到着し、自宅まで車に乗せて1時間ほど運んだ時に、ひどく車酔いしてしまって何回か嘔吐した。あとでブリーダーに聞いたら、出発地点の空港までの車でも酔っていたという。
その後も車に乗せると、早いときには走って3分ですぐに吐いてしまう。おまけに何回か繰り返すことで、エンジンをかけている車そのものを怖がるようになってしまった。
このことには少なからずショックを受けた。今まで歴代飼っていた犬は、幼犬の時も含めて車に酔う犬はいなかったし、ウチの場合、毎日のように車には乗ってもらわなければならないので、乗り物酔いをするのはかなり致命的だ。
獣医さんから薬をもらったが、まさか毎日のように飲ませるわけにもいかないので、少しずつ車に慣れてもらうしかなかった。
人間の子供用の酔い止めの薬も与えてみたが、ほぼ効かなかった。あとで獣医などに聞いたら、犬の場合は人より酔い止めの薬は効きづらいそうで、人間用の薬であれば子供用ではなく大人用の分量で大丈夫であり、より効くとのこと。
まずは乗り降りさせる時には、エンジンをかけないようにした。それを2、3か月ほど続けてみると、なんとかエンジン音がしない車は怖がらなくなってきた。しかしまだ数10分も運転していると酔ってしまい嘔吐する。
次第に移動距離を長くしていったり、助手席に乗せてなるべく声をかけるようにしたりと、いろいろ試したせいか、それとも成長したせいなのか、徐々に長い距離に耐えられるようになっていったが、もう大丈夫だろうと思って到着した際に確かめると、しっかり嘔吐の跡があったりと、中々完全には克服できなかった。
必要のない時でも、意識して毎日のように車で移動させていると、4か月ほど、生後5、6か月ぐらいで車酔いは完全にしなくなり、かなりホッとしたが、まだエンジンが動いている車には警戒して、自分からは決して乗ろうとはしない。
その後、機会と場所を選んで、なるべく車で散歩する機会を増やした。ほかの犬や人がいない所や時間帯を選んで、犬を離して車と並走させるようにした。幸いウチの犬が車から遠く離れることは今のところ無いから出来たことだ。
その機会をなるべく増やすことで、走る車を怖がることは無くなり、車から降りる時には何の問題もなく降りるようになった。しかし、自分からエンジンの動いている車に乗ることもするが、その時の様子を見ていると未だにまだ抵抗があるように感じる。
でも、まあここまで馴らすことが出来れば、あとは繰り返しで抵抗もより薄れるだろうし、ここまで出来ればほとんど支障がない。状況によって車に乗ってもらう時にエンジンを切るぐらいで済む。ヤレヤレだ。
しかし、ここまでの状況にもってくるのには、結局ほぼ1年ぐらいかかってしまった。
犬の車酔いは、かなり個体差があり、最初から何ともない犬もいる一方で、大人になっても全くダメな犬もいるが、普通は子犬時代に酔う犬でも、成犬になると大丈夫になることが多いという。
ウチの犬は、結局この多いパターンだったわけだが、最初の頃の3分で酔っていた子犬の時には、ずっとこのままだったらどうしようかと悩んでいた。生後半年ぐらいまでに社会性を獲得するのと同じぐらいか、ひょっとしてそれ以上に車酔いを気にかけていた。
また、子犬の頃のトラウマには気をつけなければならない、ウチの犬は車酔いとセットになってインプットされてしまったエンジン音を、終生苦手とするかもしれない。銃声には興味を持って反応するのにね。
ちなみに、子犬の時に伸縮リードを手から離してしまったことがに2,3度あり、凍った雪面を自分の方にどこまでも追いかけてくる、自分が止まっても巻取りの力で自分の方に向かってくるリード本体が、いまだに大の苦手で逃げ回る。