気楽にブログ

独りと犬1、猫1で暮らしている中で気づいたことや考えたこと、使ってみたものなどを紹介してます

犬の臭覚の世界に思いを馳せる

散歩していると、元気に進んでいた犬が突然立ち止まって地面の匂いを嗅ぐ。今時期だと雪の中に深く鼻を突っ込んで熱心に匂いを探っている。その時々で違うが長いと数分間もその場所から離れずに、ずっとフンフン言っては神妙な顔をして何か考えている。

犬の匂いに関する能力の高さは、今さら改めて言うまでもない。また能力が高いということは、臭覚は犬にとって非常に重要な感覚であるということだ。

食料を探したり、食えるものを嗅ぎ分けたりすることや、食料となる獲物を探すためにも臭覚は欠かせない。そもそも生まれたばかりの子犬は、母犬の匂いや母乳の匂いをかぎ分けないと生きていくことができない。

散歩中にしきりに匂いを嗅いでいる様子を見ていると、どういう匂いから何を感じてどう考えているのだろう、といつも思ってしまう。

我々人間は、一番強い匂いしか感じることができないことが多いが、犬はおそらく同時にいくつもの、何十もの匂いをかぎ分けている。その中から自分の興味を引く匂いをセレクトして、その匂いをさらに追及しているような気がする。

また、その場所の匂いの歴史、時間差での経過もわかるのではないだろうか。例えばこの場所では直前に隣のあの犬が排尿し、その少し前には近所のあの猫が糞をし、昨日ぐらいには人間の酔っぱらいが立ちションしている、さらに前には3頭の犬が通っているが、そのうちの2頭は知っているやつだが、1頭は今までに嗅いだことの無い匂いだ、これは誰だろう、ウ~ン自分の臭覚記憶にはないぞ。覚えておこう、といった具合かもしれない。

地面の匂いを嗅いでいる犬の妙に真剣な顔と、ずっとそのポイントに執着して動かない様子を見ていると、とても複雑な情報を解析しているように見える。いや、実際そうなんだろう。

また、脈絡なく突然飼い主や知っている人間が、目の前に現れた場合などに、まず視覚で認識し、知らない不審な人間に対するような態度をとったり、吠えたりする。そんな時も匂いを嗅ぐことで、その人間が飼い主や知り合いだということが瞬時に確認できる。

こういう場合にはその人の声でも納得する時もある。犬にとって聴覚は、臭覚についで頼れる感覚のようだ。ただ、その場合でも念のため、という感じで匂いを確認することが多い。

性行動を発現する感覚は何なのか考えると、その生き物にとって最も大事な感覚は何かがわかるような気がする。例えば人間は相手を見ることによって性衝動が起きたり、その手の雑誌やビデオなどが氾濫している状況を踏まえると、一番重要なのは視覚だということになる。もちろん例外はあるが。

また、多くの鳥も視覚で相手に訴えることから交尾に進展する。鳥のディスプレイは、体色や踊りのような動きを相手に見せて誘うことが多い。

犬や多くの動物では、相手の匂いを嗅いだり察知したりするところから、性行動に進展する。臭覚が最も大事な、信用のおける感覚だからだろう。

そんな犬にとって大事で強力な臭覚の世界は、どんなに複雑で多様な世界で、もし自分がそんな感覚を手に入れることができたら、どうなるんだろう、何を考えて何に役立てるのだろう、といったしょうもないことをついつい思ってしまう。

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醸造用アルコールが8%入ってるな」