犬のおかげで見えてくること
前回の後半では、犬がいろんなモノを回収する話を書いたが、いままでどんなモノを回収しているのかを思い出しながら紹介したい。
まず、空き缶、ペットボトルは当たり前に回収する。ただし、臭いの有無なのか、すでに認識済みということなのか、無視する時もある。
最近たびたびあるのはバナナの皮、これは一見舗装路を自転車で走っていると気がつかないのだが、臭いをたどってしっかりと草やぶの中から回収してくる。
おそらく捨てた人は、やぶの中なら目につかないだろうと放り投げたのだろう。確かに人目にはつかなかったが、犬の鼻はごまかせなかった(笑)
あとは、ティッシュなど、白っぽいモノが好きなような気がするが、これらは人が使ったか食べた後の可能性が高いので、あまりくわえさせないようにしている。
珍しいところでは、前回紹介したアオジと、それ以前にやはり路上に落ちていたアカゲラの新鮮な死体があった。これを見つけた時に見せた、とても大切なモノを大事そうにくわえた感じの、神妙な表情が忘れられない。
また、これも前に紹介したが、シカの角を二度回収してきており、今でも時々かじって遊んでいる。
今までで一番の大物は、タヌキの死体だった。冬に雪の中から掘り出してきて、これも「やったぜ!」という感じでうれしそうにくわえて持ってきたのだが、突然犬の大きさとそんなに変わらない黒っぽい物体を持ってきたその姿を見て、とても驚いてしまった。
犬のおかげで、自宅周辺のごく限られた範囲でも、交通事故死の死体や、誰かが捨てた様々なゴミの多さを改めて感じることができる。野生の生き物は、もっとどん欲にこういうモノを探して利用して生きているに違いないが、はたしてそれでいいのだろうか。